2017年6月アーカイブ

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            No.190 「誓います!」

 

 

結婚式当日は、花嫁花婿各々の家でブッフェが開かれる。

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これはイタリアの結婚式の伝統の一つでもある。

花嫁の家のサロンのテーブルには爽やかな白とグリーンの組み合わせの花が飾られていた。

花嫁を乗せる白い薔薇で飾られた車が到着した。

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運転するのは花婿の立会人だ。

咋晩のセレナータではヘベレケで、いつもは時間にルーズな彼だけれど、

少し緊張した面持ちながらもさすがに今朝は時間通りに到着した。

今日はスーツに身を固めバシッと決まっている。

結婚式ギリギリにになって思い出した幸運を呼ぶサムシングブルーは、

当日の朝、我々立会人が花嫁の太腿にブルーのガーターベルトを着けた。

これで万全だ。

 

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若手の音楽家のオルガンとバイオリンのドゥオが演奏する結婚行進曲に合わせて、

初めに花婿とその母親が入場する。

花婿は予想通りガチガチに緊張しているけれど、お母さんはいつもの笑顔だ。

牧師さんの前に着くと後ろを振り返って、花嫁が入場するのを待つ。

そしていよいよ花嫁の入場だ。

花嫁はお父さんのエスコートで入場する。

そのすぐ後ろを彼女の姪っ子ちゃんが結婚指輪を載せたリングピローを手に持って

にこにこ嬉しそうに、そして得意気に入場する。

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花婿の胸には花嫁のブーケとおそろいの白い薔薇、

花嫁の立会人には同じ花をあしらったブレスレット、

花婿側の立会人には胸飾りがさしてある。

花嫁がコーディネートしたものだ。日本のようにお色直しは無い。

花嫁のウエディングドレスは、この日のために選びに選んでたいがい購入するか、

あるいは雑誌やカタログの切り抜きを持って行って仕立て屋さんにお願いするかのいずれかだ。

友人の衣裳選びには勿論我々も立ち会った。

それは一度のみならず、お気に入りの一着を決めてからも何度もサイズ直しに立ち合った。

まるで母親気分だった。

花嫁衣裳は式の当日まで花婿は見てはならない。

夫になる花婿が知らない事を我々花嫁側の立会人のみが知ることが出来るというのは

とても優越感に浸れるものだった。

事実、式までの間にもう何度も

「ネ、ルリコウエディングドレスは何色?」

「生地はどんな感じ?」

と友人でもある花婿にしつこく質問された

、、、がしか~し!

勿論、当日まで内緒にしておいた(フフフ)

花婿も中々のお洒落さんで、新調した明る目の紺色のスーツが中々素敵だった。

日本と違って写真の前撮りは全く無いイタリア。

当日の二人の緊張や将来への希望に満ちた表情が入り混じって、更に美しい写真が出来上がる。

プロのフォトグラファーは二人一組で一日中駆け回って撮影だ。

 

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"ライスシャワー"というと聞こえがいいけれど、教会から出たホヤホヤの二人を待ち構えるのは、

浴びせるというよりまるで敵をやっつけるかのように、米を "投げつける"と言ったほうが正しい。

ドレスも新調したスーツもヘッタクレも無い。

招待客のチビちゃん達の "攻撃"も容赦ない。

 

牧師さんの元で結婚証明書に新郎新婦がサインし、我々立会人もサインする。

教会での厳粛なセレモニーが終わった後は、招待客は皆食事をする会場へと向かう。

イタリアの結婚式はどれくらい美味しい食事が出来るかが大きなポイントを占める。

だから、結婚が決まったカップルは会場探しに一苦労するのだ。

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今回二人は教会からほど近いヴィッラを会場に選んだ。

昔の貴族のお屋敷だったヴィッラは、誰でもレンタル出来るのだ。

ケータリング産業も盛んで、平日は誰もいないひっそりしたヴィッラが、

豪華で賑やかなレストランに早替わりする。

通常、招待客はビュッフェスタイルの食事もお酒類も好きなだけ食べて飲んだりできる。

この日は晴天で太陽の日差しが眩しいくらい、

大きな庭に広げられた白いテーブルが鮮やかな緑色に映える。

プロセッコのコルク栓の山がどんどん高くなっていく。

鮪のカルパッチョやズッキーニのフライ、肉の串焼き、どれもが美味しい。

さすが期待していた通り、食いしん坊カップルが選んだケータリングだけある。

因みに言っておくが、このビュッフェはコース料理が始まる前のもの。

いつもなら写真撮影の為に招待客が2時間も待たされるのは当たり前のこと。

しかし今回は、以前から

「写真は簡単に。それより食事が大事だから!

と宣言していたから、セレモニー後の写真撮影は早目に切り上げたようで、

随分と早くヴィッラに到着した。

新郎新婦もプロセッコで喉を潤して庭で写真撮影を "サッサと済ませた"二人は、

招待客が山のように積み重ねた使い終えた皿を尻目にビュッフェのテーブルへと向かう。

「はい、あ~んして!」

新郎新婦はようやく食にありついた。

花嫁は早朝からの着付けで、花婿は前日のセレナータ後の夜更しで(?)、お腹がペコペコだったらしい。

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ビュッフェスタイルであれだけ食べて飲んでも、

コース料理が始まるとしっかりとフォークとナイフが動くのは何故だろう。

きっと御喋りしたり、苑内を歩いたりするからだろうな。

お屋敷の中に会場を移して、宴が始まった。

食事中は何度も、これでもかと言うくらい、

「バーチ、バーチ!」

と招待客からのキッスのリクエストコールが新郎新婦へ向けられる。

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エレガントな洋服に身をまとったご婦人だって、ナイフでわざとワイン瓶を叩いてそれに参加する。

皆一体になって新郎新婦にキスのリクエストをする。

招待客の立派な一員である子供達だって退屈しない。

これを楽しみにしている子供は沢山いるのだ。

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アニマトリーチェは結婚式を始め、様々なイベントで活躍する、いわゆる「子供と遊ぶプロ」だ。

子供向けにはちゃんと「お子様メニュー」だって存在する。

マシュマロやキャンディーで出来たカラフルなケーキだってある。

お父さんやお母さんの「駄目ですよ!」は今日ばかりは "馬の耳に念仏"だ。

宴もたけなわ、招待客には新郎新婦からボンボニエーリが一人一人配られる。

ワインのボトルオープナーと栓のおしゃれなセットだ。

これでお開き?冗談言っちゃあいけない。

夕方からの招待客もいて、第二の宴が始まる。

建物の中で我々が食事していた間、外のテラスにはまた新たにビュッフェが準備されていた。

ここからは音楽やダンスの時間だ。

今イタリアで流行している70年代のイタリアンポップスをアレンジした

中々雰囲気のある若手のバンドの生演奏だ。

踊れや歌えや、しまいには花嫁は履いていた靴を脱いで踊りまくった。

私も踊りまくった。

いい汗かいた。

皆さんが気になっていた例の取り替え用の靴?勿論持参したけれど、

見ため重視で選んだのが失敗だった。

取り替え用のはやっぱりバックベルト付きのローヒールの靴にしておけばよかったのに、

最後までヒールにこだわったがために、家に辿り着いた時は

足がパンパンに膨れ上がり足裏は悲惨な姿になっていた、、、。

そんな事はどうでもいい。

それにしてもいい結婚式だった。

末長くお幸せにね。

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       No.189 赤いバラそして結婚式前日の夜 

 

「ライスシャワー用のバスケットどうする?」

「結婚指輪を持ってくれる姪っ子ちゃんの頭に載せる花環は注文してあるよね?!」

「ねえ、さらば独身貴族よ!パーティーの時にやったみたいに

花嫁が乗る車の後ろにカラカラカラ~ンって缶カラ付けたらどう?」

おいおい、結婚式は明日だよ~!

まだやることあるんだから、それは無理!結婚式の立会人と言えど、

やることが山盛りあって、自分の結婚式の時よりもっと忙しい思いをした。 

 

何かある毎に痛感するのが、直前になって慌てるイタリア人、

これまで何度もこういう場面に直面して来た。

とは言っても結末は何とか丸く収まるのだから

これもまた学ぶべきことだ(逆にこっちがおそわってしまう)。

郷に入れば郷に従え、私も慌てちゃあいけない。

車の後ろにつける缶カラよりももっと実行したいことがあった。

それは「セレナータ」!! 結婚式の前日、花婿が花嫁に内緒で彼女の家に押しかけて、

愛の唄を歌うサプライズでイタリア北部より南部地方で広く伝わる慣習だ。

初めてそれを見たのは数年前にカラーブリア州出身の友人の結婚式に参列した時。

それがとてもロマンチックで素敵だったので、いつかやってみたいなあと思っていた。 

 

とは言え、私が企画の話を "さらば独身貴族よ!パーティーグループ"に持ちかけたのは

「セレナータ」を決行すべき当日の午後3時(何だ私もギリギリになってやってるではないか;;;)。

花婿側の立会人に連絡したらちょうど翌日に結婚式を迎えた花婿も一緒に居合わせ、直談判。

「何を歌ったらいい?」

「1曲でいい?」

「えっ~最低3曲歌わなきゃだめだよ。」

グループの中にはミュージシャンもいてギター持参で来てくれるので、

こちらは準備万端。彼の奥さんもイベント好きだから、色々協力してくれて助かった~。 

花婿と彼側の立会人の了解も得て確認を取ったところで、グループにメッセージを発信した。

「本日セレナータを実施。21時にドコソコの○○Barに集合!」

私とマルちゃんは花嫁側のグループだから、花婿側グループには勿論、

その立会人パオロに指揮をとってもらった。

夕食を自宅で済ませ待ち合わせ場所に夫と到着したら、

既にファビオ夫妻がカッフェを飲み終わったところだった。

次々と集まって来る友人達。

肝心な花婿とその立会人は皆の予想通り、45分もと大幅に遅れてやって来た。

花嫁はドレスの着付けやお化粧で翌日朝早いので余り夜遅くなっちゃあいけないし、と

彼らが到着するまで冷や汗ものだった。

緊張をごまかすためだろう、花婿になる友人はかなりお酒が入っていた。

「じゃ、みんな~プロセッコ一杯ずつやるぅ?」

だめだめ、ここは意地でも花嫁の家に向かって出発しないと真夜中になっちゃうから、、、!

集合場所のBarから車で1分、花嫁の自宅に到着。

みな小声になる。

「オイ、ソッチジャナイゾ---。コッチコッチ!」 

「コラ、モットシズカニアルケ!ジャリガアルカラ、オトヲタテルナ!!」

しまった!!!

私は不覚にも花嫁と目が合ってしまった。

物音に気がついた花嫁がたまたま窓の外に目を向けたら、そこを私が通っていたのだ。

しまった~!

先を歩いていた花婿はギターを持ったファビオと歌い始めた。 

♪今晩、君のために赤い薔薇を買ったよ。君にメッセージを伝えたかったんだ~♪

花嫁が家の中で立ちすくんでいるのが見えた。

サプライズは成功したようだ。

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花嫁が玄関まで近づくと我ら歌い手のボリュームが上がった。

花婿を取り囲むように皆真剣に、でも楽しそうに歌っている。

仲間の一人が気をきかせてメッセージと一緒に送ってくれたYouTubeのサイト。

夜までに少し練習しておいた。

メロディーは知っているけれど、歌詞はさびの部分しか知らない覚えていない。

花嫁が外まで出てきた。

花嫁のお父さんはゲラゲラ笑っている。

お母さんは

「ブラーヴィ!ブラーヴィ!!」

を繰返し叫んでいる。

3曲も歌って上出来だった。

ホッとしたのか、緊張していた花婿予定の彼にはいつもの笑顔が戻った。

そしてこれまた予想通り

「オーイ、乾杯するぞ~!」 

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帰りがけ、ビールの空瓶が美しく整然と並んでいた。 

 

 

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いよいよ明日は結婚式だ。

(続く...) 

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            No.188 三位 / 酸味一体

 

「旬」という言葉にホロッと来ます。

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国道沿いには、さくらんぼの直売店が毎日パラソルを広げて立っています。

甘さが売りで皮が柔らかく、オレンジ色がかった日本の佐藤錦に比べると

こちらのドゥローニは、皮がしっかり固目で噛むとプリっと弾け

そして色はルビー色、粒も大きめです。

直売店は勿論、スーパーでも店頭に並び1キロ当たり(こちらは食品に関して

全て1キロ当たり/ で価格が表示されます) 3 4ユーロ前後で売られています。

随分と安いですよね。

日本人が沢山野菜を食べるように、イタリア人は多くの果物を食します。

これだけ安いので納得です。

 

もったいない!をよく口にするイタリア人。

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美味しい果実を食べた後の種だって捨てません。

数年前に訪れたさくらんぼ祭で "あれ"を売っているのを思い出しました。

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種を乾かしてカントリー風の布の袋に入れてそれを販売していたあれです。

透明な袋詰めのもさくらんぼの種です。

大豆ではありませんぞ。

温熱効果のある自然療法。

レンジで温めておなかや肩、背中に載せて体を温めるんだそうです。

いいなあ、こういうの。

触るとゴロゴロしていて、手のマッサージ効果もありそうです。

 

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これは先日行ったグリンピース祭に出店していたさくらんぼの直売店。

小学生の可愛い男の子がお父さんの手伝いをしていました。

「写真撮ってもいい?」「うん、いいよ!」と笑顔で応えてくれたと思ったら、

シャッターを押したその瞬間にスッとカウンターの下に隠れてしまいました。

 

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今が旬のドゥローニはまさにルビー色した甘味と酸味が一体になって爽やかな初夏の味。

生のものをそのまま頬張るのもいいけれど、今年はこのデザートを作りたかったぁ!

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1年間、ずっと引出しの中で待機して出番を待っていた、さくらんぼの種取り器。

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水洗いしたさくらんぼの軸を取ってこれに載せ、

ギュっとハンドルを握ってさくらんぼのおしりちゃんの方から種を出すしくみ。

種を取らない方がオーヴンで焼いた時に果実の水分が出ないので、

その方が旨みも凝縮されて美味しいという人もいるけれど、

この「わざわざ」するひと手間がまた、

「この季節がやって来たなあ。」と実感させてくれる訳です。

やっぱり道具は使ってなんぼと言いますからね。

その上種を取り除けば、このデザートを口に含んだ瞬間に

ガリッと種を噛まずに済むわけですからお上品に召し上がっていただけます、ハイ。

 

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しっかりと冷まして密封すれば、冷蔵庫で2日間保存できます。

冷凍も出来ますよ。

解凍は室温で又はレンジで温めて。

フランス産まれの初夏のデザート。

オーブンで焼き上がったら余熱を取って、

まだ完全に冷めない状態でジェラートと一緒に食べると、

あらまあレストランの味!

 

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