2017年9月アーカイブ

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       No.199  HOKUSAI 

 

あそこの鶏がいるお宅のコスモス、あの角の整然と整地された、

見るにも誠に美しい畑があるお宅の小菊も今が満開です。

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地球温暖化とは言え、自然ってやっぱり凄い底力を持っているんだと

つくづく思ったのはちょうど、23日の秋分の日でした。

イタリアは日本のように祝日ではありませんが、

その日外を歩いていると「秋の匂い」がしてきました。

わらを焼いたような匂いや、風そしてそこに金木犀の香りがかすかに混ざった "秋の匂い"です。

暑くもなく寒くもなくちょうどいい気温で、

いろんな匂いが優しい風に吹かれてスゥ~っと抜けて行きました。

今年は夏が異常に暑かったせいか、もうすでに栗が店頭に並んでいます。

各自治体毎に、野外で映画観賞会が開かれるため、

イタリアの夏の映画館は割と空いているのですが、

秋になって涼しくなってくると、またお客さんが増えてくるようです。

そんな中、2週続けて映画館へ行くきっかけがありました。

それはいずれも、日本に関するもの。

先週は、劇場用長編アニメ「この世界の片隅に」。

皆さんはご覧になりましたか?

もう涙が溢れ出てきて止まらなくて、、、。

5年前に行った広島の町並みや、この映画の舞台となった呉と少し似ている

尾道の丘からの海の眺めを思いだしました。

昔は「漫画なんか見ちゃだめよ。漫画はよくないから。」等と親に叱られたものですが、

何をおっしゃいます、今では、世界に誇る日本のれっきとした文化ではありませんか。

結構入っていましたよ、お客さん!

こちらの友人達は皆口々に、「うちらは日本のアニメで育ったようなものよ!」と言います。

実に以外でしょう?!

http://konosekai.jp/ 

 

そしてもう一本のタイトルは「HOKUSAI DAL BRITISH MUSEUM」。 

https://www.youtube.com/watch?v=IV696EMhMQI 

こちらは、イタリアでは珍しく吹き替え無しで、字幕がイタリア語でした。

ドキュメンタリー映画と言っていいでしょうか。

この夏、ロンドンにある 'BIRITISH MUSEUM'で」開かれた "北斎展"の様子や

それに係わった人達のインタビュー、そして北斎に絶大な影響を受けたゴッホの話など、

とても興味深いものでした。

私はどちらかと言うと美術館巡りをするタイプではありませんが、

心のアンテナにピピーンと来たものについては見に出かけます。

特に、あの '大波'で有名な「神奈川沖浪裏」は外国の人に非常に人気があるそうです。

「今も昔も変わらない、人間の暮らしが彼の絵の中に見ることが出来る。

一般庶民を主人公にして称えた、それが北斎の魅力だと思う」とは、

この大展示会の責任者クラーク氏。 

 

イタリア国民が愛するエスプレッソコーヒーを沸かすこの直火式のモカを、

果たして北斎は手にしたか、味わったかどうか、、、。

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鎖国の時代に日本へコーヒーが伝わったと言うことは、

北斎は残念ながらそれを口にしたことは無かったか?!

でもきっと好物だった大福餅とコーヒーの相性は悪くないはず、、、などと

勝手気ままに空想をめぐらす秋の夜長です。 

その翌日、偶然にも本屋さんでこの二冊の本を見つけました。

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       No.198 リゾとソッリーゾ

バス停前にウインカーを点滅して停止した車、

そこから降りた高校生らしき一人の少年は、どうやらバス時刻を確認している様子です。

各学校が新年度を迎えるこの時期によく見る光景です。

学校関係の新年度に合わせて、バス時刻も "冬時間"と命名されて変更されます。

9月初旬は日中もカーっと暑くなってまだ海水浴にも行くことが出来たのですが、

10日あたりからぐっと気温も下がって朝晩涼しく、、、

いや寒くなってきて外出する時は何を着ていくべきか、随分迷ってしまいます。

各種講座の募集のお知らせも、色々目にとまります。

各種ダンスやヨガスクールのそれに混ざって、空手やカンフーなんかもあるんです。

9月の我が家のカレンダーは「書き込み」が多くなります。

各地で開かれる収獲祭の日程の確認のためでもあります。

同じ時期にあちこちで様々なイベントが開かれるので、

うっかりするともう終わっていた、ということがよくあるのです。

実は一つ行きたかったりんご祭も既に終了していました;;; 

 

サンティーナ叔母さん夫婦が毎年行く、

グルーモロデッレアッバデッセ / Grumolo delle Abadesse のリゾット祭、

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私達も行ってみることにしました。

グルーモロデッレアッバデッセはヴィチェンツァ県にある人口3700人の村、

ヴェネツィアのマルコポーロ空港から西へ約70キロ、

ここで美味しい米が栽培されています。 

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リゾットデアバデッサはその昔、秋の収獲を祝うために用意されたご馳走です。

現在の近代的な農業機械と違って、その昔は手作業で、

しかも収獲された米を運ぶのは馬車でしたから、

その収獲が全て終わった時の喜びはひとしおことだったでしょう。

農家の人達が振る舞っていたリゾットがこのお祭りに進化したのです。 

 

実はこのレシピを知っているのはごくわずかなコックさんのみ。

4年前、テレビで活躍する人気有名シェフがこのイベントに訪れてこっそり探ろうとしたけれども、

地元コックさん達の「厚い壁」にはばまれて、あばかれなかった、というエピソードも。 

 

グルーモロ デッレ アッバデッセは、ヴィチェンツァとパードヴァ間にある小さな町/村、

ここで既に1500年代から修道士によって米が栽培されていました。

テズィナ川から流れる (その昔は物資の流通経路であって、馬車がその脇の堤防を貨車を引いていた) 澄んだ水、

地理的に流通にポジティヴであったこと、そしてまたヴェネツィア貴族が貿易の危機を迎えた時に、

出入荷物資の需給に密接な関係であった地域であることに改めて「気がつき」

そこを開拓して行った、それらが全て合わさって、今日のここの米に発展したという歴史があります。

現在では、1600年代の半分以下の120ヘクタールになってしまいましたが、

この歴史ある品種はまだ現役なわけです。

ヴィアローネナーノという品種がここの米で、米粒は小さめ、

調理の過程で水分をよく吸うのが特徴のために、

美味しいブロードを吸わせるのを必須とするリゾット作りには、最適なお米だと言う訳です。 

 

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SLOWFOOD協会のプレシデにも認定された、イタリアの6種類の歴史ある品種の一つ。

昨今は地球温暖化の影響を受けて、農業を営む人の苦労は絶えません。

だからこそ、農家の人達に感謝を忘れずに、米や食べ物を粗末にせず、

美味しく頂きたいと改めて思います。

見なれたとうもろこし畑と通り過ぎて、

たまに田んぼを見つけると「ハッ!」と胸がときめくのは、

やっぱり正真正銘の日本人であるんだなあとつくづく思います。

米はイタリア語では「リゾ」と言います。

因みに笑顔は「ソッリーゾ」、言葉遊びみたいでしょ?

米を食べて笑顔で健康、というキャッチコピーいかがでしょうか。

ちょっと時代遅れ?

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            No.197 老舗の革命 

 

 9月に入って随分気温も下がってきました。

とんぼが、とうもろこし畑脇の用水路の水面を低く飛んでいるのを見かけました。

ご近所のワイン用の葡萄畑ももうすぐ収獲を迎えそうです。

またいつも産みたて卵をいただくスペディータさん宅のひよこ達も、

随分と大きくなって母鶏の後ろをついて回ります。

8月にトレッキングしたヴァッレ ガルデーナでは

「雪が降った」と、ニュースで報道していました。

この気象の変化にビックリです。 

 

イタリアの9月は「始まり」の月でもあります。

町の文房具屋さんだけでなく、スーパーの中にも特設コーナーが設けられて、

色鮮やかなリュックサックや筆箱がズラリと並びます。

小学校に入学する子ども達は各々好みの大きなリュックを背負って、初登校するわけです。

保育園はもうすでに始まって、学校関係は13日(水)から新学年が始まります。

いつも思うのですが、どっぷり3ヵ月のバカンスに浸かった子ども達は、

いつものリズムを取り戻すのに1ヵ月はかかるだろうなあと。

それを承知の先生方も大変です。 

 

今年の夏も色々なことがありました。

そんな中、日常生活に密着した話題でずっと書きたかったこと、それは「保存瓶」についてです。

日本ではボルミオリロッコの名前で知られているようです。

この老舗の硝子製品会社は、時は遡って1800年代半ば、

ガラスアートの衰退から立ち上がる為に立ち上げた企業で、

エミーリアロマーニャ州にある、フィデンツァという町が出発点のようです。 

硝子製のデミタスカップやワイングラスもあるのですが、

何と言ってもイタリアでは保存用のガラスジャーは誰にでも知られた存在。

舅も毎年恒例の自家製トマトソースの保存には、必ずこのメーカーのを使います。

サイズもバリエーションに富んでいて丈夫、しかも、お値段も安い!

まとめて購入する人がほとんどなので、こんな風に大胆に陳列されています。

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他のメーカーがどんどんコピー商品を出すほどです。

別にこのメーカーから '賄賂 'をもらっている訳ではありませんが、

もう何年も前からこれについて書きたいと思いつつ時が過ぎて、

ちょうどあるきっかけがあったので、今回書くことにしました。 

 

少し涼しくなったとある日曜日、久しぶりに夫と自転車でアンナ叔母さん宅へ。

薪のキッチンストーヴを愛用するアンナ叔母さんは80歳、

ついこの間まで、お裁縫もやっていました。

我が家のクッションや暖簾も作ってもらって随分お世話になりました。

行く度にいつも叔母さんから何かを教わります。

主婦の知恵、今回はこの保存瓶の利用法の一つ。

畑の採れたてパセリを直ぐに瓶に入れて冷蔵庫で保管すれば、

1週間は新鮮でみずみずしさを失わない、というのは去年の学習!

今回は、多めに作ったスープやミネストローネの出来たてをすぐ瓶に移し、

その直後に蓋をきちんと締めて、キッチンに放置。

自然に冷めるまで待って、それから冷蔵庫で保存するというのです。

これも1週間は持つというのです。

これ知りませんでした、目から鱗です!

アンナ叔母さんが使っていたのもこのメーカーのもので、サイズはかなり大きなものでした。

冷凍してそれを解凍し食べるというのは、時間も要するし味も落ちる、

これから温かいスープを飲む季節になってくるし、

これなら一度作ってしかも二度食べられる、作る方にとってもとても助かります。 

 

ところで、これまではクラシックな黄金色の蓋のみの販売でしたが、

今年は 'ニュース'がありました。

たかが蓋されど蓋、今年はちょっと素敵なデザインも仲間入りです。

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お洒落な雑貨屋さんというより、町の金物屋さんといった方が正しい、

たまに行く店、そこで発見しました。

取っ手が付いた瓶や、ストローが刺せる瓶等も、続々入荷です。

些細なことですが、こんなところに、この企業の'革命'を感じました。

歴史ある老舗メーカーが、新商品を開発してそれを販売するというのは、

中々そう簡単にはいかないだろうといつも思うのです。

ちょっとひんまがった物の見方ですが、この新商品を手にした時、そんな事が頭をかすめました。

ここ数年、イタリアのレストランではこのような保存瓶を使って

ティラミスや冷たいデザートを提供するのが流行しています。

ちょっと目先が変わって素敵です。

先日、我が家でパッタイパーティーをした時に、

マンゴーやパッションフルーツを保存瓶に入れて下準備をしておき、

デザートタイムの時にジェラートを入れてお出ししたら、結構人気でした。 

叔母さんからもらった大量のプルーンを砂糖で煮たり、

ズッキーニをピクルスにしたり私の"実験"は今年も実行されました。

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成功したかどうかつまり、美味しいかどうかは数ケ月後、開封してのお楽しみ。

保存棚には、舅が作ったトマトソースも整然と並べられています。

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その数は今年も更に増えました。

次回の帰国の際には、自家製味噌を作る日本のいとこに、お土産で持って行こうと思います。

器用ないとこはお裁縫が好き。

空になった保存瓶に刺繍糸を入れて棚に飾ったりして、再利用するんだろうな、きっと。 

 

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